「新地ゆかりの建築家 遠藤新展」が開催されました
新地町三村合併70周年記念事業「新地ゆかりの建築家 遠藤新展」
7月12日から17日までの期間で「新地ゆかりの建築家 遠藤新展」が開催されました。
三村合併70周年記念事業として開催されたこの企画展では、①遠藤新の生涯、②出会い、③自由学園、④建築物の模型、⑤遠藤新デザインの家具、⑥遠藤新の残した物の6つのテーマで展示を行いました。
展示物は、当町が所有する遠藤新デザインの椅子13脚をはじめ浦辺鎮太郎(うらべしずたろう)へ送った書や、目白ヶ丘教会の模型をはじめ、遠藤新の孫で、現在沖縄を拠点に建築家として活躍している遠藤現(げん)氏が所有するフランク・ロイド・ライト自筆のサインが入った遠藤新への手紙など、50点以上の展示を行いました。
初日の12日には、遠藤新の孫である遠藤現氏による展示の見どころ解説が行われました。翌日の13日には、福田竜氏(自由学園明日館館長)をモデレーターに、遠藤現氏、井上祐一氏(神奈川大学講師)、野村一郎氏(タリアセンアプレンティス)の3人のパネリストによるギャラリートークを行いました。80名を超える来場者は皆、熱心に3人の話に耳を傾けました。なお、ギャラリートークの模様は、youtubeチャンネル「みたい新地」でご覧いただけます。
開催期間中の13日から15日には、福田地区に移築された遠藤新設計の「くるめがすりの家」を職員の特別解説付きで公開し、3日間で200名を超える方にご来場いただきました。
「くるめがすりの家」の見学を希望する場合は事前予約が必要です。
○遠藤新(1889-1952) 有機的建築※を提唱した建築家
明治22年福田村(福田地区)に生まれる。福島県第四尋常中学校(現相馬高校)を経て、旧制仙台第二高等学校(現東北大学)を卒業後、地元の篤志家の支援を受け東京帝国大学工科建築学科(現東京大学工学部)に入学。
二高時代に土井晩翠に出会い、帝大在学中には自由学園創始者の羽仁夫妻、大正デモクラシーを提唱した吉野作造や代議士星島二郎など数多くの著名人と友好を結んだ。なかでも現在、世界三大近代建築家の巨匠、フランク・ロイド・ライト(アメリカ)に出会い、多くの建築技術・哲学を学んだ。
帝国ホテル建築の為、来日していたライトに出会い師事した新は、その後、ホテルの完成を待たずにアメリカへ帰国したライトの意志を受け継ぎ帝国ホテルを完成に導いた。ライトは、帰国後も新のことを気にかけており、多くの手紙を送っている。それらの手紙の最後には、「my son(我が息子へ)」と書かれており、いかにライトが新を信頼していたかが伝わる。
※有機的建築・・・オーガニック・アーキテクチャー。大自然のなかにあって、不自然に見えない建築。
▲会場の様子
▲ギャラリートークの様子